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先に結論
- スマホだけの紛失と、カード・Ring(指輪型の機器)をすべて失うことは別です。
- seedless(復元用の単語を使わない方式)で設定した機器を全部失うと復旧できません。予備を分けて保管する計画が必要です。
ここでは第2世代以降のTangemハードウェアウォレットを扱います。ハードウェアウォレットは、暗号資産の管理に専用の機器を使うものです。
購入を決める前に必要な条件を整理します。専用機器を使わないTangem Mobile Walletだけの場合とは、元に戻す方法が違います。
仕様確認日:2026年10月10日(日本時間)。
図で見る:スマホ・カード紛失の違い

seedlessでも秘密鍵は存在する
3つの言葉を分けて覚える
- カード・Ring:設定したウォレットを使うための機器。
- アクセスコード:機器を使うためのパスワードのようなもの。
- シードフレーズ:復元用の単語の並び。seedlessでは用意しません。
暗号資産を動かすためには秘密鍵(取引の承認に使う秘密情報)が必要です。Tangemのseedlessでは、カードなどのチップ(中にある小さな電子部品)内で鍵を作ります。
最初の設定では、同じウォレットを使える予備のカードやRingも用意します。これがバックアップです。ユーザーが書き留めるシードフレーズはありません。
[1]
ここで混同しやすいのがアクセスコードです。アクセスコードは、カードやRingを使うためのパスワードのようなものです。他人が勝手に使うことを防ぎます。シードフレーズの代わりになる復元用の秘密情報ではありません。
「コードだけ覚えていれば、カードが全部なくなっても戻せる」という使い方はできません。カードを写真に撮っておくこともバックアップにはなりません。
向いているのは保管のルールを決められる人
seedlessを検討しやすいのは、次のような人です。
- 復元用の単語列を扱わない方式を選びたい
- 複数のカードやRingを別々の場所で管理できる
- 外出用と保管用を分け、まとめて持ち歩かない
- 不明な操作が出たら、署名(取引を承認する操作)や送金を止めて確認できる
たとえば「普段使う1個をなくしたとき、別のカードやRingを手元に用意できるか」を考えると、保管計画の弱い部分が見つかります。具体的な保管場所をSNSに公開する必要はありません。
向いていない可能性がある人
次の条件が大切なら、購入前に立ち止まってください。
- カードやRingをすべて失ったときに備え、単語の並びから復元する方法を必ず残したい
- カードやRingを分けて保管できず、毎回すべて持ち歩くことになる
- 送金先をスマホとは別の機器の画面で確認したい
- 紛失やコード忘れはメーカーが解除してくれると思っている
Tangemのカードには独立した表示画面がなく、取引内容はスマホで確認します。スマホと別の画面で照合したい人にとっては、購入判断に関わる違いです。[2]
紛失とコード忘れは状況を分ける
1 スマホだけをなくした
対応する別のスマホと公式アプリを用意します。使えるTangemのカードやRingとアクセスコードがあれば、ウォレットを再び使えます。
スマホの紛失と、すべてのTangemデバイスの紛失は同じ状況ではありません。[3]
2 カードやRingを1個なくした
手元に残った設定済みのカードやRingで、ウォレットを使えます。アクセスコードなど、必要な認証(使う人を確認する操作)も必要です。
ただし、なくしたカードやRingを、離れた場所から使えなくすることはできません。紛失・盗難が起きたら、手元に残ったカードやRingを確保してください。
そのうえで、公式の対処案内を確認します。[3]
3 seedlessで全デバイスをなくした
復旧できません。購入履歴、本人確認、アクセスコードだけで鍵を再発行することもできません。この条件を受け入れられないなら、seedlessでの購入・設定を急がないでください。[3]
4 アクセスコードを忘れた
最初に一緒に設定した別のカードやRingを使い、コードを回復する方法があります。ただし、コードを回復したい機器と、確認に使う機器の両方で、回復機能を使えることが条件です。
第2世代以降では、回復機能を使わない設定にもできます。その設定にした機器では、この方法を使えません。残り1個でコードも不明な場合も、この回復方法は使えません。
[4]
指紋や顔を使う生体認証で普段開けるからといって、新しいスマホでも同じ状態が引き継がれると考えないようにしましょう。
シードありなら別の管理責任が加わる
第2世代以降のTangemには、シードフレーズを使う設定もあります。正しいシードフレーズが残っていれば、カードやRingをすべて失っても、対応するウォレットで復元できます。
パスフレーズ(シードフレーズに追加して使う文字列)を使っていた場合は、それも必要です。復元先の対応資産・ネットワーク・導出パス(鍵やアドレスを生成するときの設定)も確認してください。
[3][5]
その単語の並びを、他人に知られないように守る必要もあります。「シードありなら無条件に安心」「seedlessなら危険がなくなる」と一律には決められません。
なお、seedlessで作ったウォレットから、後でシードフレーズを表示することはできません。設定方式を決める前に、それぞれの復旧方法を理解しておきましょう。[5]
ハードウェアだけで防げないこともある
自分で詐欺の取引を承認したり、偽サポートに秘密情報を渡したりする問題は、チップの強さだけでは防げません。[6]
当ブログのコメント欄やSNSのDMにも、アクセスコード、シードフレーズ、秘密鍵を書かないでください。「復旧のために入力してください」という案内を見たら、いったん止まり、公式サイトから確認することをおすすめします。
また、仕組みを確かめる目的で、資産が残っている機器を、気軽に初期化(設定を消して最初の状態に戻す操作)しないでください。復旧条件を確認することと、実際に鍵を消す操作は分けて考えます。
購入前に自分へ聞いておきたいこと
「全デバイスを失う事態を避けるため、どんな保管を続けるか」
「スマホを交換した日に、必要なデバイスとアクセスコードを用意できるか」
「コード回復の条件を理解しているか」
この3つに答えが出ないなら、まず保管方法を考えるところからで十分です。枚数で迷っている方は「Tangemは2枚・3枚・Ringのどれ?保管方法から選ぶセット比較」へ。
購入判断全体を見直したい方は「Tangemは自分に合う?購入前に確認したい5つのこと」へ戻れます。
参考にした公式情報
[1] Tangem 秘密鍵のセキュリティ/バックアップの仕組み
https://tangem.com/ja/help-center/security/private-key-security/
https://tangem.com/ja/help-center/security/how-backup-works/
[2] Tangem Why Tangem Wallet Does Not Need a Screen
https://tangem.com/en/blog/post/mobile-app-security/
[3] Tangem デバイス紛失と復旧
https://tangem.com/ja/help-center/security/device-loss-recovery/
[4] Tangem アクセスコードの管理
https://tangem.com/ja/help-center/app-functionality/managing-your-access-code/
[5] Tangem シードフレーズ全般
https://tangem.com/ja/help-center/security/all-about-seed-phrases/
[6] Tangem Who the Secure Element Protects You From and Who It Doesn't
https://tangem.com/en/blog/post/who-secure-element-protects-you-from/
確認日:2026年10月10日(日本時間)


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